コラム-column-

映画『空に住む』に登場する
“ペット葬業者”と、その存在の必要性

ペットのお葬式、その後はのイメージ

女優としてめきめきと頭角を現し、今ではドラマやCMでも引っ張りだこの多部未華子さんが挑む最新映画『空に住む』。公開前から、豪華なキャスト陣や『ユリイカ』で知られる青山真治監督がメガホンをとったことで注目を集めていました。

本作は、両親の死を受け止められずにいる主人公・直実が、ひょんなことからタワーマンションの高層階に愛猫のハルと住むことになる、というところから始まります。

郊外の小さな出版社に勤める直実は、気の知れた同僚や愛猫に囲まれていながらも、どこかぽっかりと空いた喪失感を埋められずにいます。そんな彼女は同じマンションに住む人気俳優と出会い、恋に落ち、ふわふわと夢のような時間に没入していきます。

直実を取り巻く恋、仕事、そして人生について、彼女が下した決断とは・・・というのが物語のあらすじです。

この物語は、ユニークな登場人物たちも見どころの一つ。

裏表のある小説家、癖の強い編集長、そして、どこまでも自然体なペット葬業者。

映画に“ペット葬業者”が登場するって、筆者はとても現代的だなと感じました。と同時に、現代にそれだけ認知され、必要ともされている仕事なのだとも。

ペット葬業者の男を演じるのは、演技力の高さに定評のある永瀬正敏さん。

死を扱う、死の一部始終に携わる“葬儀屋”という仕事を永瀬さんはどこか軽やかにすら感じるくらい自然に遂行し、その流れや捉え方に触れた主人公の直実は、これまでの喪失感を含め冷え切っていた心をほぐされていきます。物語にとってもこの“葬儀屋”はとても重要な役割を担っており、それはまさに生と死のメタファと言ってもいいのかもしれません。

ペットは私たち人間にとって家族そのもの。

人間よりも寿命が短い彼らと生きる時間の中で、死別は避けては通れず、深く悲しむことは至極当然です。

しかしながら別れとは、命の尊さを心から知る機会でもある。

そのことを『空に住む』は優しく教えてくれたような気がしました。

参考  https://soranisumu.jp/

FREEDIAL:0120-426-388
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