コラム-column-
悪徳ペット葬業者を見極めるポイント
最愛のペットを亡くして心を痛める飼い主さんにとって、最後のお見送りとなるペット葬はとても意味深いものです。しかし世間には、そんな気持ちにつけ入って儲けようとする悪徳業者がいるのもまた事実。
ペット葬業者が亡骸の火葬を行う火葬炉の設置に、許可や申請が必要ではないことをご存知でしょうか。人間の火葬炉の建設には各都道府県知事の許可が必要となりますが、ペットの火葬炉となると特に許可や行政への届け出は必要ありません。つまり比較的簡単に事業を興せてしまうのです。それだけに、ペットとはいえ「葬儀」という特別なものに対する意識が低い、問題のある事業者が存在します。
最近ではペット葬トラブルが頻発しています。代表的な悪徳業者の手口は、安価な値段で引き受けた亡骸を火葬炉に入れてから値段を吊り上げるというもの。2009年には、火葬業者が施主に対し、ペットの亡骸を「生焼けで返すぞ」と脅したニュースが話題となりました。まるで人質をとるような卑劣なやり方は、ほんとうに酷いですね。
最愛の家族を亡くし、悲しみに打ちひしがれている真っ最中だと、気丈な対応はなかなかできないもの。それだけに、業者選びの段階でしっかり相手を見極めることが大切と言えます。
では、注意すべきポイントをご紹介します。
1.相場よりも目立って安い金額や短時間を宣伝広告する業者は注意
亡骸を引き取り、きちんと保管し、火葬してお返しする一連の流れを常識的に考えてみれば、自ずとその一々にある程度のコストや時間がかかることは想像できますよね。それなのに、あまりにも安価であったり短時間での返却をうたう業者は疑った方が良いでしょう。
2.トラブルが絶えない合同火葬、移動火葬車での火葬は避けるのがベター
合同火葬とは、他のご家庭のペットと一緒に火葬することです。格段に費用が安くなる場合がありますが、「帰ってきた骨が我が子のものとは思えない」「ありえない大きさの骨が返ってきた」などのトラブルがつきものですので、業者の良し悪し以前に方法としてお勧めできません。
移動火葬車とは、軽トラックなどの車両に火葬炉が備え付けられたもので、現地またはその近くで火葬することが可能です。けれども移動火葬車は、かなり煙が出るために近隣住民からの苦情や、前述した「生焼けで返すぞ」といった脅迫まがいのトラブルが起こりやすい形態であることも事実なので、覚えておくと良いでしょう。
3.電話番号の問い合わせ窓口があるかどうか、「ない」事業者は要注意。
気になる会社があれば、電話番号が見えやすいところに記載されているか、また、きちんとセンターや担当者に繋がるかの確認をされることをお勧めします。もちろん、電話番号があるから大丈夫とは言えません。でも電話番号がわざわざホームページの見えにくい場所に小さく書いてある、といったことがあれば「やましいことがあるのかも」と思っていいでしょう。
たいていの場合、ペットは飼い主より先に旅立ちます。最後まで穏やかに見送ってあげるのも飼い主の務め、そのためにも、葬儀でのトラブルは避けたいですね。